コロナ感染拡大防止のため「2022年度秋季」はオンライン開催とさせていただきます。
ご挨拶
相原 博昭 東京大学 理事・副学長
グレーター東大塾は、先端専門性に焦点を置き、現実社会の身近なテーマを取り上げて、塾長となる教授の指導のもとに展開するユニークなものです。一般教養の講義というレベルを超えて、大学と社会が連携して第一線の課題に取り組み、社会変革を駆動していくネットワークを構築する、それが本プログラムの目的です。
各方面から、広くご受講くださることを願います。
グレーター東大塾
監 修
グレーター東大塾企画委員会 委員長
津田 敦
(東京大学 執行役・副学長)
概 要
- 場 所
- Zoomによるオンライン開催
- 時 間
- 18時00分~20時30分
- 期 間
- 半期、10コマ
- 規 模
- 塾生300名程度
- 参加費
- 企業・法人、個人 5万円(+消費税)
大学生 2.5万円(+消費税)
特 色
- ● 先端・専門性の高い現代社会的テーマ
- ● 塾長の個性を尊重した多種多様なプログラム
- ● 外部講師も含めた実践的内容
- ● 塾生参加による 共同研究・政策提言なども視野
塾長
鄭 雄一
東京大学大学院工学系/医学系研究科
教授
〈プロフィール〉
1989年 東京大学医学部医学科卒業。ハーバード大学医学部講師、助教授などを経て、現在、東京大学大学院工学系研究科バイオエンジニアリング専攻・医学系研究科疾患生命工学センター教授、神奈川県立保健福祉大学ヘルスイノベーション研究科長・理事・副学長(クロスアポイントメント)。専門は、骨・軟骨の生物学、再生医学、バイオマテリアル工学。健康状態を可視化し行動変容を促す産学協創プロジェクト、未病コンセプトの社会実装のための体系化と学問化に取り組んでいる。
塾長
池浦 富久
東京大学大学院工学系研究科
研究科長アドバイザー
〈プロフィール〉
九州大学大学院工学研究科合成化学専攻修士課程修了。元三菱化学のCTO。文部科学省の革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM)において「東京大学センターオブイノベーション-自分で守る健康社会拠点」の機構長としてスタートアップの設立など幅広い分野でマネジメントを行った。
今回のテーマ
自分で守る
健康社会の実現に向けて
塾 長 : 東京大学大学院工学系/医学系研究科 教授
鄭 雄一
少子高齢化が急速に進む中、「病気になったら、病院に行けばよい」という従来の考え方には持続可能性がない。少子高齢化は、日本が最先端を走ってはいるが、世界中が近い将来に遭遇する大問題である。このような条件下で、将来のあるべき姿は、「自分の健康は自分で守る」社会である。これをさらに深めると、「健康から病気・介護までを連続した状態として捉え、機能低下・発症・重症化を未然に防ぎ、人生の階段を元気に登る」社会、である。このような社会を実現するための、技術的・社会的なイノベーションが求められている。
「自分の健康は自分で守る」をブレークダウンすると、「入院を外来に」「外来を家庭に」「家庭で健康に」となる。「入院を外来に」では、入院の日数を低減する医療技術革新、特に日帰り治療がカギとなる。「外来を家庭に」では、通院の回数を低減する医療技術、特に重症化を未然に防ぐ技術がカギとなる。「家庭で健康に」では、生活習慣病などの発症を未然に防ぐ技術、特に健康リスクを計測・可視化して行動変容を促すアプリを活用したデジタルセラピューティクス(DTx)などがカギとなる。健康医療ICTの標準化により、これら全ての成果から革新的な健康医療プラットフォームが形成される。更にプラットフォームの中のPHR(Personal Health Record)にはエビデンスに基づいたウエアラブルデバイス等からの生活習慣のデータが繋がれ、健康医療データと生活習慣データの掛け合わせにより、新たなイノベーションが生まれることが期待される。
これらを実現することで、「病院を家庭に」持ち込み、健康と医療における個人のエンパワメントと参加を促進し、幸福な社会の実現に貢献することができると考えている。
本塾では、多彩な視点からの講義と討論を通して、将来の健康と医療のあり方について、議論したい。
講 師
グレーター東大塾では課題に精通する第一線教授陣による対話型の講義形式で開講します。
佐久間 一郎
東京大学大学院工学系研究科 教授
1985年東京大学大学院工学系研究科精密機械工学専門課程博士課程中退。1989年工学博士(東京大学)。1985-1987年東京大学工学部助手。1987-1998年 東京電機大学理工学部(助手,講師,助教授)。1990-1991年Baylor College of Medicine, Dept. of Surgery, Research Instructor。1998年東京大学大学院工学系研究科助教授。1999年-2001年同大学院新領域創成科学研究科(准教授,教授)2006年同大学院工学系研究科精密工学専攻教授。2012年同研究科附属医療福祉工学開発評価研究センター教授 現在に至る。2012-2017年(独)医薬品医療機器総合機構副審査センター長。2014-2017年工学系研究科副研究科長。専門は生体医工学、精密工学。
稲城 玲子
東京大学大学院医学系研究科 特任教授
1991年 名古屋大学医学部医学博士号取得、1991-1998年 大阪大学医学部細菌学講座(助手-院内講師)、1998-2007年 東海大学総合医学研究所(講師-助教授)、2007-2013年 東京大学医学部附属病院腎臓・内分泌内科(特任研究員)、2013年から東京大学大学院医学系研究科慢性腎臓病(CKD)病態生理学講座主任。専門は分子腎臓学、特に慢性腎臓病の病態生理学。
吉村 典子
東京大学医学部付属病院22世紀医療センター 特任教授
1986年 和歌山県立医科大学医学部卒業。1991年 和歌山県立医科大学公衆衛生学助手。1996年 医学博士(和歌山県立医科大学)。1997-1998年 英国サウサンプトン大学附属病院Medical Research Council Environmental Epidemiology Unitに留学。1999年 和歌山県立医科大学公衆衛生学教室講師。2005年 東京大学医学部附属病院22世紀医療センター関節疾患総合研究講座特任助教授。2017年 東京大学医学部附属病院22世紀医療センターロコモ予防学講座特任教授、現在に至る。
井元 清哉
東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター センター長/教授
2001年 九州大学大学院 数理学研究科 博士課程修了、博士(数理学)。2015年より医科学研究所教授。専門分野は、ゲノム情報学、データサイエンス。厚生労働省医療統計参与(2016-)、東京大学総長補佐(2019)、全ゲノム解析等実行計画を実施するAMED革新的がん実用化研究事業 領域1 解析班研究代表者、解析・データセンターWG長(2021-)。
植松 智
東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター 特任教授
1997大阪市立大学医学部卒業。2004大阪大学大学院医学系研究科博士課程卒業(医学博士)、大阪大学微生物病研究所 助教。2009 大阪大学 特任准教授、2012東京大学医科学研究特任教授 現在に至る。2014 千葉大学大学院医学研究院 教授、2018 大阪市立大学大学院医学研究科 教授、2022 大阪公立立大学大学院医学研究科 教授 現在に至る。
徳野 慎一
東京大学大学院工学系研究科 特任教授
1988年防衛医科大学校卒業、2000年にスウェーデンカロリンスカ大学にて医学博士取得。2006年より防衛医科大学校准教授、2014年より東京大学医学系研究科音声病態分析学特任准教授。2019年より神奈川県立保健福祉大学ヘルスイノベーション研究科教授。2020年より現職。
大江 和彦
東京大学大学院医学系研究科 教授
1984年東京大学医学部医学科卒業。東大病院外科系研修医などを経て東大病院中央医療情報部助手、講師、助教授。1997年より現職。これまでに東大病院副院長、東大総長補佐、医学図書館長などを歴任。日本医療情報学会前学会長、厚生労働省保健医療情報標準化会議議長。2019年より次世代健康医療記録共通プラットフォームコンソーシアム設立代表。専門は、医療情報システム、医療情報の標準化、医療人工知能など。
岸 暁子
東京大学大学院工学系研究科 特任助教
東京大学大学院にて医学博士(内科学)取得。糖尿病専門医・産業医。東京大学医学部附属病院 糖尿病・代謝内科、臨床研究支援センター在籍中の2016年より自分ゴト化を促進する『「カラダ予想図」プロジェクト』を開始し、2018年4月より現職。同時に、2021年より研究成果を基盤にプログラム医療機器承認申請を目指す東大発ベンチャー企業「メドミライ社」にて、取締役に就任。
スヴェンソン トーマス(Svensson Thomas)
東京大学大学院工学系研究科 特任研究員
英国、スウェーデンにて臨床医として従事後、東京大学大学院にて博士号(国際保健学)取得。国立がん研究センター疫学・免疫部門 での研究員を経て、2018年4月より東京大学にて研究員となる。2019年より、神奈川県立福祉大学大学院ヘルスイノベーション研究科(School of Health Innovation)にて助教、2021年より講師。主に睡眠・ストレスの研究を疫学大規模コホート研究からデジタルヘルス領域で実施している。
藤尾 圭志
東京大学大学院医学系研究科 教授
1995年東京大学医学部医学科卒業。1998年東京大学大学院入学、2001年日本学術振興会特別研究員。2006年東京大学病院アレルギー・リウマチ内科助教、2013年同講師、2017年同教授。総合内科専門医、日本リウマチ学会専門医を持つ臨床医であり、自己免疫疾患の免疫経路に基づく治療を目指している。
南学 正臣
東京大学大学院医学系研究科 教授
1988年東京大学医学部卒業、2012年より東京大学腎臓内科学/内分泌病態学教授。東京大学医学部副医学部長、医学系研究科副研究科長。東大医師会医学賞、日本腎臓学会大島賞、日本腎臓財団学術賞、東大病院ベストスタッフ賞、ベルツ賞等受賞。日本内科学会理事長、日本腎臓学会理事長、国際腎臓学会次期理事長。
講座内容・日程
講義時間
90分(講義)+ 60分(質疑応答)
18:00~20:30
第1回
9月14日(水)
入院を外来に:低侵襲精密治療
講師 |
東京大学大学院工学系研究科 教授 |
低侵襲精密治療とは「必要最小限の侵襲で,目的とする病変の治療を行うこと」であり,内視鏡外科手術やカテーテル治療などがその代表例である。病変部位の精密な同定技術,治療手段を精密に病変部位に誘導する標的治療技術は正常組織への侵襲を最小化し,病変医の治療効果を最大化する上で重要な要素技術である。このような病変部位同定・治療計画支援・治療手段の精密制御を行うための生体医工学技術を紹介する。
第2回
9月21日(水)
外来を家庭に:糖尿病性腎臓病
講師 |
東京大学大学院医学系研究科 特任教授 |
世界で急増する糖尿病性腎臓病(DKD)は、心血管・脳梗塞の発症リスクを高め生涯寿命や健康寿命を縮める生命予後不良な疾患で、治療満足度も極めて低い。DKD患者の早期予後予測や有効な治療法確立は医学的、社会経済的に急務であり、持続可能な健康長寿社会のために必須である。本講義では、最新のDKD発症・進展メカニズム、さらに我々が近年見いだした新たなDKD予後予測バイオマーカーとその創薬標的分子としての可能性を紹介する。
第3回
9月28日(水)
家庭で健康に:ロコモティブシンドローム
講師 |
東京大学医学部附属病院22世紀医療センター 特任教授 |
ロコモティブシンドローム(ロコモ)とは、移動機能の低下をきたし、進行すると介護が必要になるリスクが高い状態であるが、まだ新しい概念であり疫学的側面については不明の点が多い。本講義では、地域住民コホートROADスタディの追跡調査の結果から、ロコモの疫学指標について報告し、ロコモ早期発見アプリについても紹介する。
第4回
10月5日(水)
外来を家庭に:ゲノム情報とがん治療
講師 |
東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター |
がん患者の全ゲノム・マルチオミクス情報を最先端シークエンス技術で読み取ったパーソナルビッグデータをスーパーコンピューター・人工知能で解析し、患者個々人のがんの治療に役立つ情報を提供し、更に、多くの患者のゲノム情報と臨床情報をデータベース化し利活用を推進することで新たな治療法・創薬に繋げ、現在治療法のない患者に新たな医療を届ける研究について紹介する。
第5回
10月12日(水)
外来を家庭に:メタゲノム解析
講師 |
東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター |
次世代シークエンサーの開発によって、腸内細菌叢の解析は目覚ましく発展し、様々な疾患において腸内細菌叢の構成異常が認められることが分かってきた。本講義では全ゲノム解析による腸内微生物叢の臓器機能評価法と、粘膜ワクチンや細菌に感染するウイルスのバクテリオファージを用いた治療法の開発についてお話しする。
第6回
10月19日(水)
家庭で健康に:音声バイオマーカー
講師 |
東京大学大学院工学系研究科 特任教授
|
コンピューターやスマートフォンの発達や普及に伴い音声バイオマーカーに注目が集まっている。音声バイオマーカーは非侵襲で情報を収取でき、遠隔からの介入が可能であり、特別なセンサーを必要とせず応用範囲は広い。我々はこれまでに様々な疾患や医療以外の領域で音声バイオマーカーの研究を行ってきた。本講義ではその開発と現状について述べる。
第7回
10月26日(水)
健康医療ICTプラットフォーム
講師 |
東京大学大学院医学系研究科 教授 |
電子カルテシステムに蓄積される医療情報は、病院ごと、ベンダーごとにバラバラな規格でこれらを標準化して収集できる仕組みを構築することは簡単ではない。また、生活圏での健康情報と統合して解析できる環境構築も重要になってきており、本講義ではこうした課題を乗り越えて次世代の健康医療情報の蓄積、共有、研究開発への利活用に向けた動向と展望を述べる。
第8回
11月2日(水)
家庭で健康に:デジタルヘルスによる生活習慣マネジメント
講師 |
東京大学大学院工学系研究科 特任助教 東京大学大学院工学系研究科 特任研究員 |
新たな治療の選択肢として期待されているデジタルヘルス・デジタル治療(DTx)の領域において、研究者グループが行ってきた健診結果などの健康情報から「自分ごと化」を通して自らの生活習慣コントロールを促し、健康社会の実現を目指すアプリケーションの開発研究を紹介する。特に、後半は、新たな観点で注目されているウェアラブルデバイスを用いた『睡眠』の評価研究も紹介する。
※講義は、日本語(岸)と英語(Svensson)で行う。日本語通訳あり。
第9回
11月9日(水)
外来を家庭に:ゲノム機能データベース
講師 |
東京大学大学院医学系研究科 教授 |
免疫系はCOVID-19を始めとする感染症、悪性腫瘍、生活習慣病など、人の病気に深く関わっている。そこで免疫系の解明は多くの病気の治療や予防に役立つと考えられる。本講義では世界最大級の免疫細胞の機能ゲノムデータベースなど、ゲノム情報と遺伝子発現情報を組み合わせていくことで、どのように慢性疾患の創薬標的の同定や発症リスクの評価を進めていくか議論したい。
第10回
11月30日(水)
家庭で健康に:テレメディシン
講師 |
東京大学大学院医学系研究科 教授 |
病院の機能を家庭に持ち込むことは健康長寿の鍵であり、遠隔医療テレメディシンが注目されている。遠隔医療の重要性はCOVID-19 の pandemic で明らかになり、世界各国で爆発的に進歩したが、日本においては十分普及していない。今後、遠隔で家庭における様々な健康情報を非侵襲的に得る技術が開発されると、これまで病院で検査を受けることで得られるだけであった健康情報が家庭で継続的に収集できることになり、新たな医療の世界が開拓され、健康寿命を延伸する。
11月16日(水)
交流セッション
(オンライン開催)
参加者間のネットワーク構築のためのグループディスカッションを実施します。
講師 |
東京大学大学院工学系/医学系研究科 教授 |
9月7日(水)
開講式
講師 |
東京大学大学院工学系/医学系研究科 教授 東京大学大学院工学系研究科 研究科長アドバイザー |
12月7日(水)
修了式
講師 |
東京大学大学院工学系/医学系研究科 教授 東京大学大学院工学系研究科 研究科長アドバイザー |
※講師ならびに講座内容は変更される場合があります。ご了承ください。
お申込み
受講生募集要項
- 塾生対象者
- あらゆる領域から本テーマに関心の強い法人ならびに個人を広く募集します。
- 定 員
- 300名程度
- 参加費
- 企業・法人、個人:5万円(+消費税)/人
大学生(短大・大学院を含む):2万5千円(+消費税)/人
※参加用のライセンスは原則として申込み者本人のみ有効です。複数人で参加される場合は、人数分の申込みをお願いします。
※請求書は2022年10月頃に申込フォームに登録されたメールアドレス宛にお送りします。
※大学生料金の対象は2022年9月1日時点で、大学生(短大・大学院を含む)の方です。
※大学生料金を希望される方は、「申込フォーム」登録後に自動返信メールが届きますので、そちらに記載されているアップロードURLに学生証をスキャンしたファイルを提出いただきますようお願いします。 - 締切り
- 2022年8月31日(水)
- 個人情報の取り扱い
及び注意事項 - ●申込みにより知り得た氏名、住所、その他個人情報については、塾運営業務を行うために利用します。また、同個人情報は、入塾者の教務関係や受講料徴収に関わる業務を行うために利用します。上記各種業務は、一部を本学より受託業者に委託して行うことがあり、受託業者に対して、委託した業務を遂行するために必要となる限度で、知り得た個人情報の全部又は一部を提供する場合があります。
●講義録を取りまとめて出版する場合があります。
●本募集要項の記載内容は変更される場合があります。 - お問い合わせ
- 東京大学社会連携本部 グレーター東大塾事務局
プログラムオフィサー:小引 康彦
〒113-8654 東京都文京区本郷7-3-1
TEL:080-7599-1687 FAX:03-5841-1054 E-mail:gtj.adm@gs.mail.u-tokyo.ac.jp
募集は終了いたしました。
たくさんのご応募ありがとうございました。
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