コロナ感染拡大防止のため「2021年度春季」はオンライン開催とさせていただきます。
ご挨拶

藤井 輝夫 東京大学 理事・副学長(次期総長予定者) 2021年1月末現在
グレーター東大塾は、先端専門性に焦点を置き、現実社会の身近なテーマを取り上げて、塾長となる教授の指導のもとに展開するユニークなものです。一般教養の講義というレベルを超えて、大学と社会が連携して第一線の課題に取り組み、社会変革を駆動していくネットワークを構築する、それが本プログラムの目的です。
各方面から、広くご受講くださることを願います。
グレーター東大塾
監 修
グレーター東大塾企画委員会 委員長
津田 敦
(東京大学 副学長)
概 要
- 場 所
- Zoomによるオンライン開催
- 時 間
- 18時00分~20時30分
- 期 間
- 半期、10コマ
- 規 模
- 塾生100名程度
- 参加費
- 5万円(+消費税)
特 色
- ● 先端・専門性の高い現代社会的テーマ
- ● 塾長の個性を尊重した多種多様なプログラム
- ● 外部講師も含めた実践的内容
- ● 塾生参加による 共同研究・政策提言なども視野

塾長
中須賀 真一
東京大学大学院工学系研究科
教授
〈プロフィール〉
1988年東京大学博士課程修了、工学博士。日本アイ・ビー・エムを経て、1990年より東京大学講師、助教授、2004年より教授。超小型衛星、宇宙システムの知能化・自律化、革新的宇宙システム、航法誘導制御等の研究・教育に従事。世界初のCubeSatを含む超小型衛星13機の打ち上げに成功。政府の宇宙政策委員会委員。

副塾長
岩崎 晃
東京大学大学院工学系研究科
教授
〈プロフィール〉
1985年東京大学工学部卒、1987年東京大学修士課程修了、1996年博士(工学)。
1987年電子技術総合研究所入所。2004年東京大学助教授、2008年同教授。2018年より内閣府SIP「国家レジリエンス(防災・減災)の強化」のサブプログラムディレクタ。日本リモートセンシング学会元会長。
今回のテーマ
宇宙開発利用が
何を社会にもたらすか?
塾 長 : 東京大学 大学院工学系研究科 教授
中須賀 真一
宇宙の技術進歩はめざましく、宇宙科学探査、地球観測、通信放送、気象観測、GPSなどさまざまな用途が現れ、一部は社会インフラにもなっていることは言うまでもない。さらに近年の超小型衛星ブームが宇宙開発の敷居を根本的に下げ、大国の政府や大企業に独占されていた宇宙利用が大学、中小企業、地方自治体、新興国などに広がるとともに、ベンチャー会社等の民間主導による宇宙ビジネスも拡大している。
また、アルテミス計画では2024年に月にもう一度人を送り込む計画がアナウンスされ、日本政府も参加が決まった。いまや宇宙は、その目標地点、利用法、プレーヤー、投資元が極めて多様化し、官民連携、国際連携などさまざまなスキームのもとで、その開発と利用が加速されている。と同時に、デブリ規制など宇宙の安全な利用の確保をはじめとする国際的な取り決めがますます重要になってきていることは言うまでもない。
本塾では、そんな様々な側面を持った宇宙開発利用をテーマに、多方面からの講義とディスカッションを通して、宇宙開発利用が何を社会にもたらすかを探りたい。
講 師
グレーター東大塾では課題に精通する第一線教授陣による対話型の講義形式で開講します。
稲谷 芳文
JAXA参与
宇宙科学研究所のミッションや未来のロケット研究とその飛行実験など幅広い研究活動を行った。はやぶさカプセルの開発を主導し、小惑星から地球への帰還とサンプルの回収を成功させた。これらの知見をもとに、一般大衆の宇宙旅行や月惑星における社会の構築などと言った宇宙利用の将来像についても積極的な発信を行っている。
津田 雄一
JAXAはやぶさ2プロジェクトマネージャー
1998年東京大学工学部卒。2003年東京大学大学院博士課程修了、博士(工学)。同年JAXA宇宙科学研究所に着任、ソーラーセイル実証機IKAROSサブチームリーダーを経て2015年よりはやぶさ2プロジェクトマネージャー。2020年より同教授、日本航空宇宙学会、AIAA、IAA、UNISEC等会員。
石田 真康
SPACETIDE 代表理事/A.T.カーニー ディレクター
東京大学工学部卒。一般社団法人SPACETIDEの共同創業者 兼 代表理事 兼 CEOとして、民間宇宙ビジネス振興を目的に年次カンファレンス「SPACETIDE」を主催。A.T. Kearneyにて宇宙業界や自動車業界を中心に15年超の経営コンサルティング経験。宇宙政策委員会 基本政策部会委員。著書に「宇宙ビジネス入門Newspace革命の全貌」(日経BP社)
郷田 直輝
国立天文台 教授
1984年京都大学理学部卒、1989年京都大学博士課程修了、理学博士。同年、京都大学理学部助手、1992年より大阪大学理学部助教授、1999年より国立天文台教授。現在、JASMINEプロジェクト長を併任。日本天文学会、国際天文学連合、日本物理学会会員。専門は、宇宙論、銀河の形成・力学構造、位置天文学。赤外線位置天文観測衛星(JASMINE)計画を進行中。
小山 浩
三菱電機 主席技監
三菱電機株式会社、電子システム事業本部、主席技監。東京大学工学系研究科、博士課程修了。工学博士。三菱電機入社後、技術試験衛星Ⅶ型おりひめ・ひこぼし及び、 宇宙ステーション補給機HTV のランデブドッキングシステムの開発、運用等に従事。2016年より現職。宇宙システムの利活用、異分野との跨る事業を推進。
祖父江 真一
JAXA ALOS2プロジェクトマネージャー
1989年:豊橋技術科学大学大学院工学研究科修士課程修了、同年:宇宙開発事業団入社、地球観測センターにて地球観測衛星の地上システム開発に従事、その後、NASAでの地上システム間調整のための駐在等を経て、2017年よりALOS-2プロジェクトマネージャー。専門は衛星データ解析処理。
渥美 正博
三菱重工業 防衛・宇宙セグメント フェローアドバイザー
東大航空学科卒(修士)。1985年 三菱重工業入社後、H-IIロケット、H-IIAロケットの推進系/エンジン開発に従事。1998年に米国向け部品輸出や国際共同開発エンジンMBーXXを開始。これが現在のH3ロケット第1段エンジンLEー9に繋がっている。宇宙技術部長、宇宙事業部長、シニアフェローを歴任し、現在フェローアドバイザー。
山崎 直子
元JAXA宇宙飛行士・一般社団法人 Space Port Japan代表理事
東京大学大学院航空宇宙工学専攻修士課程修了。1996年、宇宙開発事業団(現JAXA)入社。2010年、国際宇宙ステーション(ISS)組立補給ミッションSTS-131に従事。2011年にJAXA退職後、内閣府宇宙政策委員会委員、一般社団法人Space Port Japan代表理事などを務める。
青木 節子
慶応義塾大学大学院法務研究科 教授
1983年慶應義塾大学法学部卒業。1990年カナダ、マッギル大学法学部附属航空宇宙法研究所博士課程修了。Doctor of Civil Law(1993年)。防衛大学校社会科学教室専任講師・助教授、慶應義塾大学総合政策学部助教授・教授を経て、2016年より同大学大学院法務研究科教授。
講座内容・日程
講義時間
90分(講義)+ 60分(質疑応答)
18:00~20:30
第1回
4月14日(水)
宇宙開発史と日本の宇宙開発の
現状、そして未来に向けて
講師 |
JAXA参与 稲谷 芳文 |
世界と日本の宇宙開発の歴史を概観し、日本の宇宙政策の現状と課題について解説する。これらの状況を踏まえ、今後の宇宙開発の方向性や、究極には人類の宇宙進出の必然、などという大きな意味での宇宙活動の未来も視野に入れ,世の中を前に進めるために考えておくべき視点を提示する。
第2回
4月21日(水)
深宇宙探査
~はやぶさ2の奮闘~
講師 |
JAXA はやぶさ2 プロジェクトマネージャー |
小惑星探査機はやぶさ2は人類未踏の小惑星Ryuguに到達し、2度の着陸や人工クレーター生成を含む数々の成果を上げ、貴重なサンプルと共に昨年12月に地球帰還を果たした。本講義では、はやぶさ2の挑戦を起点に宇宙探査の意義と日本の果たしうる役割について議論する。
第3回
4月28日(水)
通信放送衛星と測位衛星
~技術の進展と利用の拡大~
講師 |
三菱電機 主席技監 小山 浩 |
通信放送と測位は宇宙ビジネスの2大主力分野である。両分野における最近の技術進歩は目覚ましく、フルデジタル化、コンステレーション、センチメーター級高精度測位等、新技術が次々と登場している。本講義では最新技術動向に加え、新たな利用創出に向けた様々な取組を紹介する。
第4回
5月12日(水)
宇宙産業の現状と
将来の展望
講師 |
SPACETIDE 代表理事 |
世界の宇宙産業は大変革期にある。商業宇宙活動のための法や政策の整備が進み、ベンチャー企業や異業種企業などが参入、リスクマネーの流入も加速しており、既存市場の拡大と新市場の形成が同時に進んでいる。本講義では宇宙産業全体の動向、市場別の競争環境、日本の立ち位置などを紹介する。
第5回
5月19日(水)
宇宙から見る宇宙
~衛星利用による宇宙科学~
講師 |
国立天文台 教授 郷田 直輝 |
副題─宇宙の謎を解き明かす天文観測衛星の必要性と重要性について─
人類がなぜここにいるのか?という究極の問いに答えるべく、人類は宇宙を観測し理解を深めようとしている。そのために宇宙軌道上からの天文観測が今後も期待されている。講義では、天文観測衛星の必要性と重要性に関して、位置天文観測での衛星計画の例をあげながら概説する。
第6回
6月2日(水)
地球観測がもたらす情報と
社会問題解決
講師 |
JAXA ALOS2 プロジェクト マネージャー 祖父江 真一 |
宇宙からの地球観測は、俯瞰性、広域性および周期性という特徴を有する。1970年以降の観測データを用いて、社会問題解決のための情報が得られる。ここでは、地球観測衛星から得られるさまざまなデータと情報を紹介するとともに、国連における持続可能な開発目標(SDGs)に対応する水災害や食料安全保障等における利用例を概説し、宇宙からの観測がもたらす効果を議論する。
第7回
6月9日(水)
ロケットの技術と今後の展開
講師 |
三菱重工業 防衛・宇宙セグメント フェローアドバイザー |
宇宙空間の応用・利用分野は様々なアイディアでその活動エリアを拡大しつつある。これを支える打ち上げ輸送サービスを如何に対応させていくのか、信頼性/本質安全性を揺ぎなき基盤としつつ、時代要求に適したフレキシブルな輸送について、その考え方や取り組みを紹介する。
第8回
6月16日(水)
国際宇宙ステーションと
国際協力による宇宙探査の将来
講師 |
元JAXA 宇宙飛行士 |
現在は、有人宇宙活動において過渡期である。国際宇宙ステーション(ISS)から、月以遠を目指すアルテミス計画へと、領域が広がりつつある中、中国やインド等の台頭や、民間活動の活発化もある。本講義では、これらの背景を踏まえ、日本における課題や展望を探っていきたい。
第9回
6月23日(水)
超小型衛星による
新しい宇宙開発利用の潮流
講師 |
東京大学 大学院工学系研究科 教授 中須賀 真一 |
従来の衛星に比べ圧倒的に低コスト・短期開発の特徴を持った超小型衛星は、地球観測、通信、宇宙科学探査、エンターテインメントをはじめ様々な分野で大きなゲームチェンジを起こしつつある。東京大学の開発の歴史を中心に、超小型衛星がもたらす世界、将来のビジョンを議論する。
第10回
6月30日(水)
宇宙における国際連携と
宇宙法の現状と課題
講師 |
慶應義塾大学 大学院法務研究科 教授 |
新たな宇宙ビジネスや国際協力を中心とする天体の探査・利用計画の進展に伴い、伝統的な国際宇宙法では必ずしも十分な解決が得られない問題が生じてきた。その法的問題点を抽出し、問題解決に向けた国連内外での国際宇宙法形成の方法論や法規範の内容を議論する。
7月7日(水)
見学会 + 交流会
(会費制)
研究施設見学の後、ネットワーキングのための交流会を実施します。
※本郷キャンパスでの実地開催を予定しておりますが、新型コロナウイルス感染症の状況により、延期または中止の場合があります。
講師 |
東京大学 大学院工学系研究科 教授 中須賀 真一 |
お申込み
受講生募集要項
- 塾生対象者
- あらゆる領域から本テーマに関心の強い法人ならびに個人を広く募集します。
- 定 員
- 100名
- 参加費
- 50,000円(+消費税)/人
参加用のライセンスは原則として申込み者本人のみ有効です。複数人で参加される場合は、人数分の申込みをお願いします。 - 締切り
- 2021年3月31日(水)※締切りました
- 個人情報の取り扱い
及び注意事項 - ●申込みにより知り得た氏名、住所、その他個人情報については、塾運営業務を行うために利用します。また、同個人情報は、入塾者の教務関係や受講料徴収に関わる業務を行うために利用します。上記各種業務は、一部を本学より受託業者に委託して行うことがあり、受託業者に対して、委託した業務を遂行するために必要となる限度で、知り得た個人情報の全部又は一部を提供する場合があります。
●講義録を取りまとめて出版する場合があります。
●本募集要項の記載内容は変更される場合があります。 - お問い合わせ
- 東京大学社会連携本部 グレーター東大塾事務局
プログラムオフィサー:小引 康彦
〒113-8654 東京都文京区本郷7-3-1
TEL:080-7599-1687 FAX:03-5841-1054 E-mail:gtj.adm@gs.mail.u-tokyo.ac.jp
募集は終了いたしました。
たくさんのご応募ありがとうございました。
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